友達と力を合わせて。高校3年生がつくった最高傑作!廃棄物から生まれた、温かさを届ける薪ストーブ! 高知県立須崎総合高等学校

中小造工インタビュー企画。特別編!! 今回は、高知県須崎市にある「高知県立須崎総合高等学校」の3年生 田中 志龍さんと濱田 龍之介さんにWEBインタビューを実施しました!

あのキャラクターによく似た薪ストーブ。その名も「ミニ・ストーブ」

驚きなのはこのミニ・ストーブ、須崎総合高等学校 造船専攻の3年生が廃棄物を利用してつくったのです! 廃棄するはずだったガスボンベを再利用し、地球に優しく人に温かさを届ける薪ストーブを製作。

学校で出会った最高のクラスメイトと協力して作り上げた最高傑作、どのようにしてミニ・ストーブが出来たのか、その背景と2人が作り上げた数々の作品もご紹介!

さらに、田中さんと濱田さんが通う須崎総合高等学校でのスクールライフに迫ります!!

――本日はよろしくお願いします!!

おはようございます! 本日はよろしくお願いします!

須崎総合高等学校 造船専攻3年生の田中さんと濱田さん。いきなりのインタビューですごく緊張していましたが(笑)さすが卒業間近の3年生! 礼儀正しい姿勢と受け答えに社会で必要なスキルを学校でしっかりと学ばれたことが伝わってきました。

そんなお二人が、実習授業の課題研究で製作した3つの作品をご紹介!

足踏み式消毒スタンド

地域に貢献できるものがつくりたい、そんな思いから製作に至った足踏み式消毒スタンド。

完成品は、須崎市役所や高知県立図書館に寄贈し、使用されているそうです。

アルミ製トンボ

須崎総合高等学校 野球部からの依頼があり製作したアルミ製トンボ。

グランドの状況に応じて対応できるように、ストレートタイプとのこぎり歯タイプの2種類を製作。写真を見てもお分かり頂けると思いますが、とてもきれいに仕上がっています!

実は、アルミは軽くて薄くても丈夫という特性がある一方、溶接がすごく難しいんです。

薄い分、ひずみ(熱を加えることによって発生するゆがみ)が出やすく、しっかりきれいに溶接するには、それなりの技術が必要となります。実際に使用した野球部からは「木製よりも軽く、とっても使いやすい」と大好評!

ミニ・ストーブ

SDGsの観点から廃棄物を利用して製作された薪ストーブ。

地域のイベントとしてアウトドアの物を展示する機会があり、ミニ・ストーブを出展。この薪ストーブの愛称を募集したところ、大変多くの応募があり、その中から「ミニ・ストーブ」の名称に決定されたそうです。

自分たちがつくったものが、卒業後も人の役にたっていると思うと嬉しい!と話してくれた田中さんと濱田さん。気になる製作エピソードを教えてくれました!

――お二人が製作された素敵な3作品はどのくらいの期間でつくられたのですか??

はい。製作期間はミニ・ストーブは1カ月半くらいです。消毒スタンドとアルミ製トンボの2つは合わせて1カ月くらいでした。

作業時間は週に3時間程度ありました。

――このミニ・ストーブをキャラクター型にしようと思ったのはなぜですか?

廃棄物であるガスボンベを見ていたら何となく形があのキャラクターに見えたので、こうなりました。(笑)

廃棄物のガスボンベ

――この作品の中で、特に気に入っているところはありますか??

(田中さん)気に入っているところは、ミニ・ストーブの五徳のところです!

(濱田さん)そうですね。僕は、ミニ・ストーブの頭につけている、磁石で取り外しができる毛の部分です(笑)

――え! 頭の毛は磁石で取り外しできるのですか?! すごい! なぜ、取り外しができるようにつくられたのですか??

五徳を使う時は外して、五徳を使わない時は装飾として毛をつけられるようにしました。

――細やかなところにも色々な工夫がされているのですね。製作をする中で、特に難しかったところを教えてください!

(田中さん)難しかったところは、ミニ・ストーブの手の部分をガスバーナーであぶって叩いて曲げていくのですが、その曲げる加工が難しかったです。

(濱田さん)はい。ミニ・ストーブにサスペンダーがついているのですが、その部分も曲げるのが難しかったですね。結構時間がかかりました。

――なるほど! その曲げるという技術は学校の何の授業で習ったのですか?

須崎総合高等学校の造船専攻には溶接の授業がありますので、ミニ・ストーブの製作では授業の中で習ったガス溶接の技術を活用して曲げました。

――授業で学んだことがしっかりと身についているということが作品の素晴らしさに表れていると感じました。では、特にこだわったところを教えてください。

そうですね。ミニ・ストーブに関しては、地域のイベントに出展するものですので、いかに人の目を引くかというところにこだわりました。どの作品も、使いやすく、壊れにくいものになるように頑張ってつくりました!

――作品の簡単な製作過程とそれぞれの役割分担を教えてください。

(田中さん)役割分担は、僕が主に溶接加工をしました。

(濱田さん)僕が、部品の形をつくったり、サンダーを使ってバリ取りをしたりしました。

<足踏み式消毒スタンド製作過程>

  • 1次加工

材料取り、切断作業

  • バリ取り

切断面にできた「かえり」でケガをしないようにサンダーを使ってバリ取りを行う。

  • 2次加工

穴あけ、曲げ加工等

  • 組み立て作業

仮付け溶接で仮組み→溶接位置の確認→本溶接

  • 塗装

金属表面の汚れや油分を取り除く→数回に分けて塗装を重ねる

消毒スタンドの塗装中
  • 組立・完成

<アルミ製トンボの製作過程>

  • 1次加工

材料取り、切断作業

  • バリ取り
  • 2次加工

曲げ加工、切断加工

  • 組立作業

仮付け作業→本溶接

  • 完成
TIG溶接作業中

<ミニ・ストーブの製作過程>

  • 不要部分の取り外し作業
  • 焚口の製作
  • ゴーグル、目の製作

パーツを斜めに組み表情豊かになるように工夫、さらに目は可動式

  • 煙突の製作
  • 手足の製作
  • 表面処理
  • 塗装
  • 完成

――これだけの行程を週に3時間の作業時間と約1カ月程度の期間でつくることができるというのがびっくりです! 製作費とかは決まっているのですか??

そうですね。クラスの中で3つのグループに分かれてそれぞれに製作をするのですが、費用はクラスで10万円と決まっています。なので、費用を考えながら材料を選定しました。ミニ・ストーブに関しましては、廃棄物を利用していますのでかなりコストを抑えることができました。そういった点からも、廃棄物の再利用をすることのメリットといいますか、良さを感じます。

――製作の中で楽しかったことはありますか??

楽しかったことは、やっぱりどんどん思い描いた形になっていくところですね!

お話を聞けば聞くほど、お2人が学ばれた技術の細かさと、ものづくりの知識の多さに驚きました。これだけの技術を身につけられた田中さんと濱田さんのスクールライフを教えてもらいました!

――ここからはお2人の高校生活について教えてください。須崎総合高等学校に入学して造船専攻を選ばれたきっかけは何だったのですか??

(田中さん)中学校の頃からものづくりに興味があって、その中でもスケールの大きいものをつくりたいと思っていたので造船専攻を選択しました。

(濱田さん)僕は、小さい頃にフェリーに乗ったことがありまして、その時に大きくてすごく感動して。それがきっかけで幼少期から船に興味があり、造船専攻を選択しました。

――学校を知って入学に至った経緯を教えてください。

中学校の先輩が須崎総合高等学校の造船専攻だったこともあって、知っていました。入学を考えた時は、1日体験入学がありましたのでそれに参加して入学を決めました。

――実際に入学されて3年間の学校生活で1番楽しかったことを教えてください。

そうですね、毎日友達と一緒にいられるだけで本当に楽しかったです。学校で過ごせる何気ない毎日がすごく充実していました!!

――クラスの楽しい雰囲気が伝わってきます! 造船専攻で学んだことを簡単に教えてください。

はい。船の設計図の描き方や、構造、色々な溶接技術、機械加工などです。

――好きな工具や機械はありますか??(笑)

メタルソーが好きです(笑)

――ありがとうございます。学校に入学して良かったことは何ですか??

造船について勉強したかったので、専攻分野をしっかりと学べたことと、同級生と先生に会えたことです!!

――先生の好きなところはどこですか??

普段はおもしろい冗談を言ってくれたりするのですが、授業はすごく分かりやすく教えてくれて、親しみやすいところが好きです。

――学校生活の中で1番努力したことは??

(田中さん)溶接の四国大会に向けて溶接の練習をしたことです。

(濱田さん)資格を取ることを頑張りました。取得したのは、クレーン、フォークリフト、溶接などですね。

――須崎総合高等学校は資格がたくさん取れるのですね。学校の授業の中で、得意だった科目と好きだった授業を教えてください。

(田中さん)船舶計算が得意でした。好きな授業は実習です。

(濱田さん)僕は、課題研究が得意でした。好きな授業としては、船の知識を身に付けられる、船舶工学が好きです。

――お2人はすでに就職先が決まっていると聞いていますが、今の心境は?

(田中さん)そうですね。今は、不安と期待が半々です。

(濱田さん)僕も就職を期に県外へ行くので環境への不安もありますが、その分新しい環境での生活が楽しみでもあります。

――ありがとうございます。それでは最後に後輩に向けてのアドバイスをお願いします!

(田中さん)人と関わってコミュニケーション能力を身につけておけば困ることはないと思います。

(濱田さん)勉強も大事ですが、友達と遊ぶ時間も大事だと思います。

田中さん、濱田さん当会のインタビューにご協力いただきありがとうございました!

お2人の今後のご活躍を心より応援しています!

今回インタビューに協力して頂いた「高知県立須崎総合高等学校」のHPはこちら↓ https://www.kochinet.ed.jp/susakisogo-h/